浸透してきた化粧品業界におけるオンライン接客-次の課題は新しい消費行動への適応

化粧品は必需品であり嗜好品でもある、少し特殊な商材と言えます。仕様化された商品であるためECで取り扱いしやすいことから、このコロナ禍では多くの化粧品会社が売上をECへシフトさせてきました。
しかし、消費者にとっては、これまで利用している化粧品の買い足しであればECで購入しようと思いますが、新しい商品に切り替えたい時はECで購入することを躊躇してしまう人もいるでしょう。スタッフに相談したい、試したい、そうした要望に応えるため、特に接客サービスに力を入れてきた化粧品メーカーやECを持たない小売を中心にオンライン接客の導入が進んできました。
こうした取り組みには一定の成果も見られると同時に課題もあるようです。

オンライン接客の取り組み

オンライン接客の取り組みとしてよく見られるのは、ウェブサイトにオンラインカウンセリングなどのリンクを設け、予約表から日時を指定する、いわゆる予約システム型です。予約者にはZoomなどのビデオ接客にアクセスするためのURLが送られ、時間になったらクリックするだけで接客が受けられます。
企業側にとってもコールセンターのようにスタッフを確保しておけばすぐに対応ができるので、導入のハードルは低いと言えます。リアルでの接客に慣れたスタッフであれば、少しのコツさえ掴めればオンラインでも接客は十分に対応できるでしょう。少しずつですがオンラインカウンセリングを体験してみた・みたいといった消費者が増えてきつつあるようです。

新しい消費行動

しかし単にサイトにオンラインカウンセリング予約のリンクを設置しただけではそれほど認知や集客に繋がりません。これまでは店頭に来店した時点で、その人には肌や化粧についての悩みがあり、商品購入を検討している段階の顧客でした。しかし、化粧品会社のECサイトに訪れる顧客は「もう買うものが決まっている」段階の顧客がほとんどです。そのような顧客にオンラインカウンセリングは魅力的に映りません。
では「検討段階」の顧客がどこにいるのかというと、それはフォローするインスタグラマーやYoutuberなどのところです。今の消費者は店舗に行く代わりにそうしたインフルエンサーにアクセスしてある程度の悩みや商品検討を解決してしまっています。オンライン接客を成功させるには、そうした「検討段階」の顧客に向けて、競争媒体に対抗できるコンテンツを提供し、「私も相談したい」と思わせることが重要になります。

コンテンツによる訴求とオンライン接客の一体化

一部の化粧品メーカーでは、すでにスタッフによるコンテンツの取り組み(インスタライブやスタッフブログなど)が進んでいます。ただし、それはあくまでECの導線の一つであって、オンライン接客への導線とはなっていません。コンテンツで消費者に「相談したい」という欲求を醸成し、オンライン接客で相談に対応し、高い満足を維持したままその場で購入いただく、という一体化したカスタマージャーニーを築くことが、今の新しい消費行動に適応し、成果を生み出すことに繋がるのではないでしょうか。

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